ここのところ東北などの事例で、再建された商店等の事業が破綻する情報がいくつか入ってきた。それら事業に関しては伝統的な歴史のある事業も多く、災害後再建されたが経営がうまくいかず自己破産という最悪な状況になった方たちも居る。
これは、ひとえに再建計画に問題があったという事になるが、それではなぜそういった計画に問題が生じるのか?
東北の場合公的資金が多く投入されたことで、その恩恵を受けて施設は再興できた場合が多い、しかしながら、災害によってその商圏事情も変わってしまい、更には時代の流れに追従できず売上を伸ばすことができなかった様だ。
現在の商売は大企業集中型に変わっており、地域において差別化の難しい商品は売上に結びつかないという傾向が進んでいる。
例えば菓子などにしても、コンビニに並ぶ菓子のレベルが上がっており、特別な場合を除いて、一般的な小売店で購入するという機会は減っているだろう。
この様な商材に関しては特に独自性が重要となり、販売の為のプロモーションに関しては更に重要だ。老舗菓子屋で菓子を購入するという文化自体が高齢者の文化となり、若年者はそこまでの手間をかけずとも、コンビニでそこそこの菓子を購入できればそれでいいと思ってしまう。
つまりは入手しにくい100%の満足より手軽に楽しめる70%に意識が行く。
そういった傾向に中で文化というのは沈静化していく。
これら背景を元に、再興する側の意識が時代についていけない状況になる。
そのために感に頼った再生計画に陥りやすくなり、施設ができればなんとかなると考えてしまうのかも知れない。そこに新規性などを考える余裕はない。
商売というのは常時実験と検証を重ね、上昇する思考がなければうまくいかないのだろう。特に地方都市の衰退は誰もが予想する未来でもあり、その中で生き残る為の方法を強く意識する必要がある。
多分、熊本の事業者においても、ある意味震災バブルと言われている経済状況の変化に伴い同様の事例が発生するかもしれない。
参考サイト:“震災から8年”「東日本大震災」関連倒産状況(2月28日現在)